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九州国立博物館『工芸のいま 伝統と創造』展 [美術・博物展]

九州国立博物館で開催されている『工芸のいま 伝統と創造~九州・沖縄の作家たち~』展へ行きました。

その前に、
その日は関連イベントとして『匠に託された技~伝統を知る~』と題された伝統工芸実演があり、柿右衛門・今右衛門・久留米がすり・博多織の工程見学ができました。
やきものはろくろをまわすだけでなく、型取りする方法があること、
絣の染め方
など、感心することがいっぱい!
機織・・・やってみたい!と思って眺めていたらやり方を覚えました。

さて、企画展です。

thumb-8.jpg
写真は九州国立博物館より提供していただきました。 写真撮影は禁止です。

陶芸、染織、木竹工、人形、塗芸、金工、諸工芸・・・九州・沖縄の作家たちの2000年以降の作品を集めた企画展。

ポスターにありました。
「なぜ、国立博物館で工芸展を開くのか」



確かにそう。

ちょうど、福岡市内の百貨店で毎年開かれている伝統文化工芸展と重なっていましたが、博物館で工芸展・・・なかったです。
しかも、なぜ現代作品なのか・・・。

工芸には詳しくないし、食わず嫌いなところもありますが、

「この作品好き」

この色好き」

「このデザインおもしろい」

と気軽に鑑賞できるのも工芸の良いところではあります。

一部360度から見ることができる作品があり、

人形なんて

「・・・すごい・・・」

と呟き続けるくらい見ていて楽しいもんがあり、

なぜ、皆さんケースの周りを1周しないの?こんなに面白いのにぃ!

と思ってしまいました。


とても丁寧なキャプション、とてもポップな展示台に学芸員と作家たちの信頼関係が見えたような。

見ながら考えました。

何故、博物館で工芸展なのか・・・。

何故、現代作品なのか・・・。



「博物館・資料館では歴史的史料を展示するもの」・・・?


今見ている作品も、100年・200年経てば歴史的史料になる。

それを今見ても、

博物館で見てもいいんだ。


というか、今見ることができるって素敵だぞ!




2日後、


職場で雛飾りをしました。

古いものだらけの史料館に、現代の雛飾りをおきました。


飾りつけながら、人形店の方がさらっといいました。

これ、差し上げます

かなり立派なもので、お借りするつもりだったこともあり職員一同大慌て!

でもお店の方が笑って続けました。

ここで100年飾ってくださいね


あぁ!こういうことか!と気がつきました。


国立博物館も、我が職場の史料館も、

100年、200年、1000年前の史料を保管、整理、公開することが役目ですが、

今誕生した資料を保管、整理、公開して100年、200年、1000年先に遺すことも役目。


100年後、日本が存在するのかわかりませんが


でも、博物館ってこういう場所なんだと解ったような気がします。




100年飾ってくださいね


なんて素敵なセリフ!


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コメント 2

y.iyo

九博ぶろぐるぽにご参加いただき、ありがとうございます。100年飾るというの、大変なことですよね。工芸展でも、「もっと明るくできたら染織はもっと美しいのに」と感じていました。100年後、200年後の人達にも同じ美しさ、が理想です。
楽しんでいただけて、嬉しいです。
                   九博スタッフ
by y.iyo (2009-02-24 09:09) 

atom

九博スタッフさま
いつもお世話になっております(笑)
コメントありがとうございます。

個人的にも100年以上伝えることができるようなモノを一つくらい持てたらいいなとも思いました。

by atom (2009-02-26 22:41) 

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